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March 27, 2009

op-ed / commentary


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junichi ikeda

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新聞社を非営利法人に-連邦上院で法案が提出

March 27, 2009

op-ed / commentary


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junichi ikeda

Nonprofit status for newspapers proposed
【MSNBC(AP): March 24, 2009】

つい10日ほど前の3月17日、シアトルのSeattle Post-Intelligencer(PI)紙が、いわゆる「新聞紙」であることをやめて、オンラインだけでのニュース提供に事業を集中させた。経営的に、紙を刷り続けるのが難しくなったからだ。

アメリカの新聞は、足下の不況で広告収入が大幅減という状況で、中規模の都市の新聞では、PIのようにオンラインの事業を絞ったり、新聞事業を廃業するところが出てきている。もっとも、シアトルを中規模の都市というのは少しばかり躊躇われるのだが。

そんな新聞不況の中で、とうとう新聞事業を非営利法人として運営するための法案が、メリーランド州選出のBen Cardin上院議員(デモクラット)から提出された。

非営利法人にする、ということは、基本的に事業からの収益に対する課税を免除することになる(tax-exempt(税免除)の要件は税法で規定されている)。tax-exemptの対象に、新聞事業も入れようというのが法案の狙い。

そうすることで、広告収入も販売収入も免税対象となるが、そのかわり、法案は、選挙の際、特定の候補者を当該新聞社が支持することを禁じることを求めている。要するに、徹底的に第三者的な報道に徹せよ、ということのようだ。

基本的には、ローカル紙を対象にした救済策ということで、大都市圏の新聞(NYTやWSJやWPなど)を主な対象にはしていない、ということ。とはいえ、日本のように公称1000万部のような中央紙の存在しないアメリカでは、全ての新聞が定義上はローカル紙だから(例外はUSA Today)、NYTにとっても他人事ではないということになる。

この法案のポイントは、地元に根ざした新聞事業者の存在は、アメリカの地方分散型の政治には不可欠の要素だから、なんとかそうした事業を残す必要がある、という考えが、議会でコンセンサスになるかどうか、というところだろう。

その意味では、法案提出者のCardin議員は、ワシントンDCのベッドタウンを多く抱えるメリーランド州選出で、しかもデモクラット、というところは、気にかけておいた方がいいと思う。

自由競争による自然淘汰を是とするGOPからすると、なかなか容認できないかもしれない。

逆に、デモクラットとしては、この法案を通過させて新聞事業を保護してもそれでもだめなようなら、本格的に、メディア毎の広告費割り当て規制に乗り出すかもしれない。

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