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October 28, 2009

op-ed / commentary


author
junichi ikeda

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Net Neutrality導入に向けて舵を切ったFCC

October 28, 2009

op-ed / commentary


author
junichi ikeda

FCCが正式にNet Neutrality政策を進める方針を決めた。

これによって、Free and Open Internetを今後も維持していくことを大原則として掲げることになる。

FCC to draft net neutrality rules, taking step toward Web regulation
【Washington Post: October 23, 2009】

FCC Adopts Open Net Rules
【Wall Street Journal: October 22, 2009】

詳細は次のブログ・エントリーが簡潔にまとめている。

F.C.C. Begins Crafting Rules on Network Neutrality
【Wall Street Journal: October 22, 2009】

5人のFCC委員が満場一致(unanimously)でルールの検討に入ることに合意したということ。もっとも、GOP系の二名は、検討には賛成だが、導入そのものには相当ネガティブのようだが。

今後のスケジュールは、近々FCCがルール案を公開し、その案に対するpublic commentを2010年1月14日まで受け付け、それに対するFCCによる応答が3月5日までに公開される。その後はFCCによる検討が進められる。この検討期間については制約はない。しかし、アメリカは、来年はmid-term election(中間選挙)の年に当たるので、選挙前、つまり、夏までにはルールを確定するのではないかと思われる。

アメリカのpublic commentは、日本の「パブコメ」とは違って形骸化されていない。ルールに対して、多くの利害関係者、つまり、企業、interest group/advocacy group、学者(個人や連名)、そして一般市民、が意見を表明する。

利害関係者の利害の所在はそれぞれの立場によって異なるので、ビジネスの当事者からは主に経済政策ないし産業政策のような経済法的視点からのコメントが寄せられるし、interest group/advocacy groupのようにもともと特定の社会的価値に重きを置いている人びとは、たとえば、InternetのOpennessの確保、innovationの保持、privacyの保護、free speechの確保、などの点から、つまり広く社会政策に関わる視点からコメントがなされることが多い。学者からは、ルールの背骨たるロジックに瑕疵や漏れがないか、あるいは、FCCにそのような権限があるのかないのか、など、ルールメイキングの枠組み自体に対するコメントも寄せられる。時に、州や市の事情の勘案を促すために、州政府や市政府からコメントが寄せられることもある。

とはいえ、最も焦点があたるのは、直接の規制対象となる企業。そして、想定される当事者として、AT&TとGoogleとが鎬を削りそうだ、というのが次の記事。

AT&T, Google Battle Over Web Rules
【Wall Street Journal: October 23, 2009】

もちろん、net neutralityに対して、AT&Tが反対、Googleが賛成、という構図。

といっても、上の記事は、もっぱらAT&Tのロビイング攻勢の烈しさを伝えている。そのロビイング効果として最もわかりやすいのは、昨年オバマと大統領選を争ったJohn McCain上院議員らが反対表明を出していること。McCainは長らく通信政策に携わってきた人なので、その過程でAT&Tとのチャネルもできていたのだろう。

いずれにしても春先までの間に、デモクラットvs GOPという基本的な対立構図の下で、様々な議論が交わされていくことだろう。

オバマ政権としては、引き続きアメリカのハイテク産業がinnovationの点で世界市場を牽引していくことを経済政策の目玉の一つにしている。その姿勢は彼らの競争政策からもかいま見られる。たとえば、次のFTCの動き。

FTC Official Says Tech Competition Is a Focus
【Wall Street Journal: October 27, 2009】

そのようなinnovationを促すためのコミュニケーション/コラボレーションインフラとしてInternetを再定義し、そのために、OpenとFreeというInternetの特性をむしろ積極的に擁護していきたい、というのがFCC委員長のGenochowskiが基本的な考えになる。

その成果は、最近の言葉でいえば、cloud computingやapp economyという形で具体的に結実されていくことになる。これらについては、別途エントリーを改めて考えてみたいと思う。

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