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December 02, 2009

op-ed / commentary


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junichi ikeda

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アメリカのブロードバンド配備計画を具体化し始めるFCC

December 02, 2009

op-ed / commentary


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junichi ikeda

FCC委員長のGenachowskiが、改めてアメリカのブロードバンド整備の方針を示している。

FCC Seeks Revamp of Phone Subsidy
【Wall Street Journal: December 2, 2009】

基本的には以前公表したものを再度確認したことになる:

一つには、従来、電話網のユニバーサルサービスのために利用されてきたUSF(Universal Service Fund)を、ブロードバンド整備のための基金として利用しようというもの。

これによって、ブロードバンド網は、20世紀の電話網のように、アメリカ市民であれば誰もが利用できるインフラの一つとして位置づけられたことになる。

Genachowskiが示したブロードバンド整備策のもう一つは、地上波デジタルへの移行によって利用が可能になったアナログテレビの周波数帯(主にVHF帯)を、ワイヤレスブロードバンド用の周波数帯として、オークションを通じて民間事業者に開放する、というもの。

これによって、ブロードバンド整備のオプションとしてワイヤレスが加わることになり、その参入圧力を通じて、ワイヤードの事業者(通信事業者やケーブル事業者)に対して、ブロードバンド網、典型的には光ファイバ網への設備投資計画の実施を促進させる。

こうして、ブロードバンド網、つまり、インターネット利用に適合した高速IP網を、21世紀の通信インフラとして整備する。

その一方で、こうしたインターネットインフラの上で、アプリケーション事業者が様々な事業を展開できるように、net neutralityルールを導入する。

こうして、アメリカ的なOpen Internet政策を進めていく。

Genachowskiは、前にも書いたように、親IT、親Silicon Valleyの人物。上述のような枠組みでアメリカのインターネット産業、つまり、Silicon Valleyに多く生息するWeb 2.0型の、Web-centricな事業者の成長を促進させる。

つまり、今現在、iPhoneやAndroid Phoneで生じているapp economyが拡大していくのをサポートする立場をFCCは取ったことになる。

裏返すと、VerizonやAT&T、あるいは、Comcastのような、インフラ事業者には、USFの支援の下で、電気やガスと同じようなpublic utilities(公益事業)として、ブロードバンド網の整備の方にもっぱら専念してもらうことを選択したともいえる。

こうした基本的な枠組みの下で、さらに新事業者の参入障壁を下げるような、Open Source Softwareを利用したアプリケーションやサービスが開発されたり、あるいは、そうしたアプリケーションの利用自由度を上げるような端末、というか、インターフェース機器が開発されていく。

こうして、アメリカ流の、ユビキタス・ブロードバンド社会が構想され実現されていくことになる。

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