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December 14, 2009

op-ed / commentary


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junichi ikeda

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Paul Samuelson 死去

December 14, 2009

op-ed / commentary


author
junichi ikeda

いわゆる新古典派総合経済学を成立させたPaul Samuelsonが亡くなった。享年94歳。

Paul A. Samuelson, Economist, Dies at 94
【New York Times: December 13, 2009】

'Titan of Economics'
【Wall Street Journal: December 14, 2009】

NYTの追悼記事にもあるとおり、SamuelsonのおかげでMITは単なる工科大学から、経済政策への提言ができる大学に変わった。さらに、その数理経済学的性格から、数理的な政治科学(Political Science)も生まれ、MITは今では政策全般の検証や提案が行えて、アメリカ連邦政府にとってなくてはならない大学の一つにカウントされるようになった。

だから、Samuelsonによって、連邦政府の政策運営の実体が検証され、その結果が次なる政策提言に結びつくような、アメリカ的な政策立案過程が立ち上げられたといっていいい。

Samuelsonによって数理的に形式化された経済学は、その後、その形式と現実との間のギャップを埋める方向に、経済学研究のベクトルを定めたという意味でも、重要な役割を担ったことになる。

彼の弟子であるAkerlof、Stiglitz、Kruguman、らは、完全市場における財情報の瞬時伝達、の仮定に異を唱え、不確実性や情報の経済学に取り組み、数理モデルの錬磨が進められた。

同じく、弟子のModiglianiやRobert Mertonによって、数理モデルの金融市場への応用が試みられ、金融経済学、金融工学の発展へとつながった。ポートフォリオ分析やデリバティブがなければ、今日の金融産業の興隆(と内破)はなかったことになる。

ということで、Samuelsonは20世紀後半の経済学の研究基盤を作った人物として長く記憶されることになるのだろう。

それにしても、90代で亡くなられるアメリカの偉人は、大なり小なり、ケネディ政権と関わりがあった人が多い。彼らより年少であったケネディが暗殺された無念が、何らかの形で、彼らの長寿、というか、人生の引き延ばしに一役買ったのではないかと思うのは、さすがに、美しい物語を期待しすぎであろうか。

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