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January 29, 2010

op-ed / commentary


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junichi ikeda

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サリンジャー、91歳で死去。

January 29, 2010

op-ed / commentary


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junichi ikeda

サリンジャーが亡くなった。享年91歳。

J. D. Salinger, Literary Recluse, Dies at 91
【New York Times:January 28, 2010】

昨年の6月に『ライ麦畑でつかまえて』の続編と思しき小説を巡る裁判があった時に集中してサリンジャーのことについては調べて書いていた(たとえば、これこれ

ちなみに、この裁判は、スェーデン人の作家によって書かれ、ロンドンで出版された『ライ麦畑でつかまえて』の改変続編と思える小説がアメリカで出版されるのを阻止するために、サリンジャーが起こしたもの。結局、サリンジャーが勝っている。

で、その時に調べた感じでは、ホントにこの人、変わった人だな、というものだった。隠遁してしまってすっかり俗世からは離れて生活してしまっていた。

このあたりの事情は、確か、文春新書にある、村上春樹・柴田元幸『サリンジャー戦記』に所収された、村上によるサリンジャー解説が詳しいので、そちらを参照してください。

今回の死去によって、未発表原稿も見つかったようなので、この先、場合によると、新たにサリンジャー作品が出版されるのかもしれない。

ところで、上のNYTの記事には、『ライ麦畑~』の主人公であるホールデン君がさまよったマンハッタンの場所が地図で示されていて、なるほど、あのあたりか、と思えて、結構面白い。基本的にEast Sideをさまよっていたんだな、と。

小説でも、映画でも、NYを舞台にした場合、主人公がマンハッタンをさまよい歩く、というのはよくあるのだけれど。都市をさすらう、とういうのは定番の展開だし。

あまり日頃の自分の関心に引き寄せすぎるのも何なのだけれど、小説による偽の都市の記憶は、AR(Augmented Reality)的なものとも関わるはずだと思うので、たとえば、ホールデンビューなり、ホールデンルートというのが、デフォルトとして将来の(サイバーな)NYの地図には埋め込まれていくのかもしれない。

とはいえ、まずは、サリンジャーのご冥福を祈る。

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