とうとう売りに出されるNewsweek

May 07, 2010

op-ed / commentary


author
junichi ikeda

Washington Post Co. が傘下のNewsweek部門を売却すると発表。売却理由はNewsweekの収益回復がどうにも見込めそうにないという、徹底して経済的な理由からだという。

Washington Post Aims to Shed Newsweek Magazine
【Wall Street Journal: May 6, 2010】

Newsweek on Block as Era of the Newsweekly Fades
【New York Times: May 6, 2010】

Washington Post Co. puts Newsweek magazine up for sale
【Washington Post: May 6, 2010】

Newsweek's hazy future
【Washington Post: May 6, 2010】

売却の方針は決まったものの、買い手のイメージはまだつかないということ。このあたりは、昨年、同じようにマグロウヒルから売却方針を示されたBusinessWeekとは状況が大分異なる。

BusinessWeekについては売却方針が示された段階で想定買い手としてBloombergが挙げられており、実際、そのようになった。BusinessWeekは今では雑誌タイトルを“Bloomberg BusinessWekk”として発行されている。

そのような、買ってメリットのある企業が、Newsweekの場合、見あたらない。一般紙で週刊誌という点が、ケーブルニュースやインターネットでのニュースへのアクセスが当たり前になった現状では、ビジネスとしてリアリティに欠けるためのようだ。そのため、上の記事にもあるように、Newsweekの編集者らスタッフによるMBOがもっとも想定できる買い手の一つのようだ。しかし、それはもちろん、事業自体の見直しに直結するものではない。

Washington Postについては先日のエントリで取り上げたように、政治記事を中心にインターネット時代、TwitterなどのReal-time Web時代に備えようという動きが起こっている。そうした動きにNewsweek自体は対応できなかったようだ。

以前のエントリーでも紹介していたように、アメリカのニュース週刊誌の窮状は一年前から既に明らかだった。したがって、今回の売却決定が企業の意思決定として早かったか遅かったのか、という議論も今後は起こってくるだろう。

一つ言えるとすれば、経済合理的に考えれば結論はこうなるだろう、ということは概ねその方向に向かうものだ、ということ。そうした見込みに対して時間的余裕が多少はあるうちに何をするかが大事になる。


アメリカではサブプライムやリーマンショックによる景気後退については底を打ったという認識はあるようだ。その有事から平時に少しずつ戻ろうとする中、今回のNewsweekの件のように、従来メディアがいよいよインターネット時代に本格的に対応する(そのためリストラも行われる)フェーズに入ることになるのだろう。

2010年はそういう意味でシビアな年になりそうだ。