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July 30, 2010

op-ed / commentary


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junichi ikeda

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iPadでのテレビドラマのpreview展開

July 30, 2010

op-ed / commentary


author
junichi ikeda

アメリカの四大ネットワークの一つであるFoxが、この秋からのドラマの新シリーズの第一話をVanity Fairを通じてプレビューさせるという。

Fox Uses Heavy Exposure for Previews of ‘Lone Star’
【New York Times: July 28, 2010】

Vanity Fairが考えているのは、雑誌本体にDVDを挟み込む手段と、iPadのVanity Fair appで映像配信する手段の二つ。Foxによれば、いずれも新ドラマシリーズの第一話を完全に見せる予定だという。

DVDの挟み込み、というか、記録媒体の挟み込みはCD-ROMの頃から行われていることなので、この場合、ニュース性があるところは次の二点だろう。

● iPadでのプレビュー
● プレビューのフル体験

iPadでのappでなら利用者の属性なども(ある程度)把握することが可能だと考えれば、このプレビューは、文字通りプレビューが行ってきた視聴者の意向の事前リサーチに使うこともできるだろう。

プレビューとして第一話を全て提供するのは、この数年、アメリカではドラマの扱いがテレビの中で微妙になっていることの表れでもある。リアリティショーの普及から、昔のように視聴率を稼げるコンテントとしてドラマに期待することは自明ではなくなっている。また、作品としてエッジの効いたドラマシリーズ、簡単にいえばエミー賞を受賞するようなシリーズは、四大ネットワークではなくケーブルのチャンネルから生まれている、という事態もある。このような、視聴形態の変化の中で、視聴者の関心をどう引き寄せるかが、ドラマ関係者の関心の中心になっている。いわば、テレビドラマが映画並みに人々の関心を掴みにくくなっているということだ。

Vanity Fairという文化誌(といっても政治社会の良質な寄稿も多い)とタイアップするのも、テレビドラマ視聴にも一定の文脈形成によって、関心を維持し続けさせる仕組みが必要になっている、ということの表れだろう。

実際の番組内容も含めて注目しておきたい。

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