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最高裁で敗訴したAereoが開いたもの

4月に取り上げたAereo vs ABCの訴訟だが、結局、最高裁はAereoのサービスを違法と判断した。

Aereo Loses at Supreme Court, in Victory for TV Broadcasters
【New York Times: June 25, 2014】

最高裁の判断は6対3。オバマ大統領に指名されたソートマイヤー判事やケーガン判事も違法と判断した。

以前にも書いたことだが、Aereoが勝訴すれば、同様のロジックで既存のケーブル会社も再送信契約を破棄する恐れがあったわけで、結果として、地上波放送ネットワークの経済システムに大きな変更を招くようなことが回避されたことになる。

その一方で、複数画面=ガジェットを通じたクラウド型の利用方法に対して、一定の枷がはめられたことになる。

既にAereoの類似サービスについても営業をどうするかという空気になっているようだ。だが、技術的実現が可能であることと、ユーザーがクラウド経由の視聴形態を望むユーザーが相当数いること、などから、この先も類似のサービスが提案されることになるだろうと見込む向きもIT業界側に少なからず存在する。

いずれにしても、かつてNapsterがP2Pの法的扱いに火をつけたように、今回のAereoも、クラウドの法的扱いについてより精緻なルールを彫琢するための出発点になったと受け止めることができるだろう。したがって、ここから先はアメリカの法律家たちの腕の見せ所だ。

それにしても、当局と事業者の間で法の抜け道を巡ってサービス開発が促されるところを見ると、IT業界がますます金融(工学)業界に似てきたように思える。となると、次なる知恵者がどこから現れるか、どんなバックグランドから登場するかに、強く興味が引かれるところである。

author: junichi ikeda

CONCEPT

FERMATは、コミュニケーションという社会の基底を与える領域の変化の徴候に照準しながら、未来のビジョンを描くことで、新たな何か=“X”、の誕生を促します。